海こそが最良のドクター

ルネ・カントンの奇跡の海水「クィントン水」part 2

 時は1900年代初頭。
 一人の生理学者が生命論、医学、自然論にいたる「真実」を突き止めた。
 しかし時代のいたずらか、その真実が世に普及することはなかった。
 医学の世界にもパワーゲームは存在するのである。
 「それが広まったら、医学の立場が根本から変わってしまう。既存の利権が崩れてしまう」
 そう懸念した者たちは、この「真実」を闇に葬ろうとしたはずである。
 しかし、時代は真実を見捨てはしなかった。
 新時代のパラダイムが生まれつつあるこの現代に、再度注目されることとなった。
 その真実とは…。

I.H.M. WORLD 2017年5月号より
木村一相さん/歯学博士

内部環境を整える

 ルイ・パスツールは病気に対するアプローチを確立し、ルネ・カントンは健康に対するアプローチを確立しました。図で示すと右のようになります。

パスツールとカントンの違い

 汚れた水槽があります。中にいる魚が細胞とします。汚れた水が細胞外液だとすると、パスツールは魚(細胞)が病気になった時、「この魚(水にも)に菌がいるのではないか? 悪いものが繁殖しているのではないか?」と考え、それを殺すために抗生剤を入れるという考えです。それに対し、ルネ・カントンは「病気の原因は水が汚れているからだ。水を変えれば健康を取り戻せる」と考えたのです。
 私たちは日常、こういったことをあまり意識していません。しかし、空気や水が汚染されている現代の環境は、まさに汚れた水の中にいる状態です。この状態を改善する必要があるのです。

 私たちを構成している物質の60~70%は水分です。ほぼ水なのです。一般的なお医者さんに行くと治療をして薬を出してもらいますが、私の治療の概念は、オーソモレキュラーメディスンという考えです。これは、「病気になるのはその人の身体の分子レベルの乱れが原因である」ということです。その乱れを見つけて改善しようと、ビタミンやミネラルに配慮した食事指導を10年以上行ってきました。
 そして今ここにきて、ルネ・カントンを知りクィントン水を使うようになってきて、「水という存在を忘れてしまっていた」という事に気が付いたのです。実際に水はあまり研究されておらず、体内の水分はどういった状態が良いのかと、はっきりと定義出来る人はいないのです。

 私は歯学部で内科や外科も勉強しましたが、正しい水の状態については学びませんでした。誰も知らないのです。でも私たちの70%は水ですよね。その70%を知らずに30%で何とかしろと、医学はそういうアプローチをしているのです。
 私も今までは水に対して、ほとんど注意を払うことがありませんでした。そのような意味においても、IHMさんの水の研究は、とても意義のあることだと思います。

脳の脱水

 脳は約80%が水分で、水分量の一番多い臓器です。その成分は、海水に似た成分構成なのです。脳の水分量の低下や内部環境の変化が体調に影響を及ぼすことは、想像に難しくないことです。
 二日酔いの時には頭がガンガンと痛みますよね。肝臓で分解しきれなかったアセトアルデヒドが血中に残ることも原因の一つですが、脳(髄液も)の脱水が原因なのです。脱水を起こし血管が拡張して頭痛を引き起こすのです。老化現象は、体内の水分量の低下もあげられます。脳の脱水、水分量の低下を防ぐことが出来たら、良い健康状態を保てると考えています。

生体が必要なミネラルとは

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 私たちの食事から摂れるミネラルは20種類くらいだといわれています。今クィントン水を調べると「78種類のミネラル」があるとされています。ルネ・カントンも調べていますが、当時の装置では20種類くらいしか見つけられませんでしたが、「海水には元素周期表の全てが含まれている」と予測しています。今まで生体の中にあるミネラルの働きと言えば、食事から摂取する場合、欠乏症から調べています。特定のミネラルが欠乏する、あるいは過剰になる、すると病気になるというのが医学的な考え方です。

 けれども、ミネラルは単体の状態である訳ではありません。
 私たちの身体の水は電解質、すなわちイオンの形です。量的なものだけではなくて、液体の中では電気的に「本来あるべき形である」中性をとろうとする働きがあるため、イオンの中性が崩れてしまった状態ということも考えなくてはならないと思います。

白血球、赤血球が生きられる海水、クィントン水

白血球の実験。栄養培地溶液中では白血球は活性されノジュール(塊)も出来ています(写真1)。生理用食塩水では活性状態が良くありません(写真2)。クィントン水では活性を示すノジュールも確認でき白血球は活性されることが判りました(写真3)。[/caption] ルネ・カントンは犬の実験で海水(クィントン水)が無害であることを証明しました。さらに海水(クィントン水)が血液の代わりになることまでも証明しました。血液中には白血球、リンパ球という免疫細胞がいますが、生存環境が共通しており、これは海水中で生きられるということでもあり、免疫反応も一番高かったのです。(写真1-3)
 また赤血球の生存実験においても同様のことが見れました。赤血球が死ぬとヘモグロビンの溶液が流れ出します。濃度が高くなると赤血球が死滅したと分析するのですが、クィントン水では100時間経ってもほとんど変化しません。死んでいないということなのです。生理食塩水では、時間と共に濃度が増していきます。

白血球の実験。栄養培地溶液中では白血球は活性されノジュール(塊)も出来ています(写真1)。生理用食塩水では活性状態が良くありません(写真2)。クィントン水では活性を示すノジュールも確認でき白血球は活性されることが判りました(写真3)。

海水の酸素は何が違うのか

赤血球の実験。クィントン水を入れた血液のみが鮮やかな赤色に変化しました(写真)。クィントン水に含まれる酸素がヘモグロビンと結合したことが判ります。生理用食塩水、ミネラルウォーターでは変化が見られませんでした。

 クィントン水にどのくらい酸素が含まれているのだろうか? と思い、治療で使う生理食塩水と市販のミネラルウォーターの3種の溶存酸素量を簡易キットで調べてみました。結果はというと、あまり大差がありませんでした。

 次に、血液を取り出し、3種の液体を入れてみました。生理食塩水とミネラルウォーターでは変化がありませんでした。しかし、クィントン水を入れたら鮮明な赤色に変色したのです。血液中のヘモグロビンが酸素と結び付いたからです。
 それぞれの酸素の量は同じです。要するに、酸素が多い少ないではなく、クィントン水は(酸素を伴い)速やかに組織の中に浸透出来るということなのです。

 ルネ・カントンの犬の実験で検証されたことでもありますが、酸素を運ぶのはヘモグロビンだけではないのです。私たちは、ヘモグロビンが酸素を運ぶと教わりましたが、それでは赤血球が無くなると酸素は運べないという事になります。ルネ・カントンの犬の実験、そして私の実験が示すように、クィントン水の作用によって、血液の血漿中に含まれている酸素を組織の中に送り込むことが出来る、浸透させることが出来るという事なのです。
 ルネ・カントンの犬の実験では、血液を大量の海水(クィントン水)に置き換えていきました。常識として、失血すると赤血球が失われ酸素が運べなくなるのですが、では何故、海水(クィントン水)を入れた犬が死ななかったのでしょう? それは、海水に含まれている酸素を、私たちは利用出来るということを示唆しているのです。

 私たちは失血した時に、通常であれば“輸血”を受けます。前編でもお話ししましたが“輸血”は非常に危険な副作用、感染のリスクが伴なう危険な行為なのです。
 船瀬俊介氏と内科医の内海聡氏による共著『血液の闇』(三五館)に詳しく書かれていますが、輸血の血液には致死量の放射線が滅菌のために照射されているのです。
 そういう意味からも、輸血が必要な人たちにクィントン水が代わりになるかもしれない証明でもあります。クィントン水は誰にでも適応するし、消費期限(5年)も長く取り扱いも容易という利点もあります。レスキューや自衛隊の方にも最適だとも思います。

選択的抗菌性

 私たちの身体は60兆個の細胞から成り立っていますが、体内に細菌が100兆個以上いるといわれています。重さにして約2キロ。肝臓くらいの重さです。一つの臓器と呼んでいいくらいです。つまりは、微生物との共生が大切なのです。
 従来の抗生剤というのは、云わば無差別攻撃ですね。今までの抗生剤の殺菌・滅菌作用は、私たちの身体の一部である有益な菌も殺しているのです。
 ところが、最近はピンポイントで攻撃することが出来ます。

 例えば、お茶のカテキンという成分は口腔内の害をなす菌を減らし有益な菌に悪影響は与えません。有益な菌が増えれば他の菌を排除してくれます。これが選択的な抗菌という作用です。
 私たちに良い働きをしてくれる菌まで殺してしまうと、免疫を下げることになります。これらのことは、これからの医療を考える上で重要になってくると思います。

 海水が抗菌性を持つのか、私も実験してみました。歯周病に感染した歯、もう一つは感染根幹といって歯の中まで感染してしまった歯を用意して、クィントン水の中に入れてみました。抗菌材などは一切使っていません。
 顕微鏡で観察すると歯の周囲には、カビや球菌、らせん状など色々な菌がいます。しかし、一週間経過したらほぼ球菌だけになりました。口の中にいては困るのはカビやらせん状に動いている菌です。最初はゼロになるかと思いました。これが選択的抗菌性ということです。害のない球菌は死んでいません。しかし害のあるカビやらせん状の菌は死滅しました。
 歯科医は治療として歯を殺菌しなくてはならないのですが、私はクィントン水に出会ってからこの事実を知り、一般的な歯科医で使用している消毒液は一切使用しなくなりました。

 通常、歯を消毒する時に何を使うかというと、例として次亜塩素酸ナトリウム(強アルカリ)、オキシドール、エタノールなどを使用します。クィントン水を使う事により歯の治療に全く消毒液を使う必要が無くなりました。
 虫歯や根っこの治療、歯周病に対しても消毒液は全く使いません。何故かというと、今までの消毒液、傷の治療の概念も変化していて、次亜塩素酸ナトリウムにしてもオキシドールにしても要は無差別攻撃なのです。無差別攻撃だけであればいいのですが、自分自身に対しても攻撃してしまいます。

 昔は傷が出来るとすぐに消毒していたのですが、今は流水で異物を取るだけです。傷が出来た瞬間に、修復しようとする細胞が集まってきます。そこを消毒すると、修復する細胞も殺してしまいます。結果、傷の治りが遅れてしまうのです。 歯医者さんに行くと強い消毒液の匂いがしますよね。ホルマリンやクレゾールなどです。通常、歯を抜くと感染を防ぐために抗生剤をもらいます。私は、全く意味のない行為だと思っています。

 私の所では、歯を抜いたとしても抗生剤は一切出しません。歯を抜いた後にもらう抗生物質を飲んだとしても局所の感染を防ぐ血中濃度には決してなりません。そればかりか、腸内の有益な菌をも殺してしまうのです。要は免疫を下げているのです。つまり、感染を助長しているのです。
 私は既に10年くらい抗生物質を出していませんし、感染した人もいません。そして、クィントン水を使用するようになってからは、さらに治りが良く回復が早いのです。

 そうは言っても、ある程度の滅菌はしなくてはいけないので、使っているのは重曹です。酸性に傾いたものをアルカリに振ってあげる、口腔内のpH値をコントロールするために使います。菌たちはそこで病気を起こしてやろうとしている訳ではなくて、棲み易いからいる訳です。それをpH値をコントロールすることによって菌を減らすことが出来ます。
 最初の一週間をクィントン水の環境で生き残る菌がいます。次にさらに菌を減らすために重曹を使ってアルカリ環境にします。けれども、完全にゼロにはなりません。しかし、今までのようにゼロにしなくてもいいのです。つまり自然を残した選択的な抗菌をすることが重要なのです。

全ての人は全ての菌に既に感染していた

 2012年にアメリカの米国国立衛生研究所が、ヒト・マイクロバイオム・プロジェクト(ヒトゲノムの後継計画)を行いました。それで、培養したり顕微鏡で見付けなくても、身体から取ってきた組織に人間以外の遺伝子がどのくらいあるのかという検査が出来るようになり、遺伝子レベルで微生物を調べることが出来るようになったのです。そうしたら何と!一万種類見つかったのです。それと驚くべき結果として、全ての人はあらゆる病気を起こす病原体を、健康体の人も全て保持しているということでした。このヒト・マイクロバイオム・プロジェクトは、2012年に人類が発見した素晴らしい事実の第二位に選ばれました。

 発病はしていなくても、肝炎やインフルエンザなどあらゆる病原菌を既に人類は保持してたのです。つまり、全ての人が全ての病気になる病原体を既に持っているのです。これにより、移る移らないという感染の概念が完全に崩れてしまったのです。
 ルイ・パスツール、ロベルト・コッホ先生たちの細菌、ワクチンについての概念も誤っていたのではないかと言えることが起きたのです。ワクチンを打ったとしても既に体内にいるのですから…。
 医学では、感染はある特定の菌が体内に侵入し増殖して疾患を引き起こします。しかし、既に私たちは全ての菌に感染しているのです。

 ルネ・カントンは、病気の原因は「周りの環境の乱れが原因」ということ、つまり「私たち自身がそれを作り出している」ということであり、そこを改善することが正しいアプローチなのです。ルネ・カントンは、100年前に既に理解していたのです。凄い事ですよね。特定の菌が特定の疾患を起こすのではなく、宿主側、つまり私たち人間側の問題だったのです。
 そこに気付くことは、自分の命を知るという意味でも、とても重要なことだと考えます。クィントン水との出会いを通して、私のように「命とは何か」を自分自身で体感する体験を得て頂ければ幸いです。

 木村先生が話すクィントン水の奇跡のような話は、全て実体験や検証に基づく事実です。
 クィントン水は、世界各地で広がりを見せており、マリンセラピーなど、美容面での利用なども盛んになりつつあります。
 誌面のスペース上、伝え切れていないエピソードが沢山あるのが残念です。
 ルネ・カントンの海水「クィントン水」に関しては、引き続き取材をし情報発信をしていきたいと思っています。

木村一相(きむら いっそう)

 1967年東京都生まれ。日本大学歯学部大学院解剖学専攻卒業。明海大学歯学部体育会アメリカンフットボール部主将。2008年頃より国内オーソモレキュラー治療の牽引役として延べ450人以上のドクターに重金属解毒法「USRA法による安全なアマルガム除去」を伝授。水銀アマルガム治療の症例は日本最多級5000件以上。2015年度、知的財源を資産とする医師・歯科医師の集合体クイックシルバー・サイエンティフィックジャパンチームを創立し、安心・安全な最先端医療を地域社会の方々へ還元し幸福で健康長寿な人生の実現をもたらす事を目指す。高濃度ビタミンC点滴療法学会理事。著書『安全なアマルガム除去マニュアル』。ヨネクラボクシングジム、渡嘉敷ボクシングジム、協栄ボクシングジム歯科顧問医。笹塚歯科院長。