水を研究する科学者  ジェラルド・H・ポラック博士

「第四の水の相」について

ワシントン大学教授


 水に関して、特に故・江本勝氏の仕事に関して、大きな興味をお持ちの皆様に対して、講演することが出来ることは、私の喜びとするところです。過去10年間にわたって、私たちは水の物理化学的性質について探求し続けて来ました。そうしていく中で、私たちは、新しい水の「相」を発見しました。
 この「相」は、江本氏の水に関するメッセージの物理的な基礎を理解する上での基盤となるのではないかと、私たちは信じています。

 私たちのほとんど誰もが、水には3つの「相」―固体、液体、気体―があるということを学んで来ましたが、私たちは最近、4番目の「相」があることを見つけたのです。(詳しくは「The Fourth Phaseof Water: Beyond Solid, Liquid, and Vapor」をご参照ください)

The Fourth Phaseof Water: Beyond Solid, Liquid, and Vapor
 この「第四の水の相」は、主として、水が親水性(水になじむ性質)の性質を持った固体の面に接する時に作られます。この時、水は大きく変容し、乱雑な方向を向いた水分子の集まりから、秩序を持った液体の結晶構造へと変化していくのです。この液体の結晶、すなわち液晶構造は多数の分子層を作り上げ、肉眼でも見えるほどに大きな構造へと成長していくのです。

 この液晶構造は、江本氏によって観察された結晶のイメージを作り出す上で、とても重要である可能性があります。
 私たちはその理由として2つ考えています。
 第1の理由は、「第四の水の相」が、氷の前駆体―氷結する直前の段階―となっているということです。
 第2の理由は、この「相」が秩序正しい形になっているので、(コンピューターのメモリのように)情報を蓄積する能力を持っているということです。
 従って、外部から与えられるエネルギーによって、「第四の水の相」の水の液晶構造に影響が与えられる可能性があります。そして、液晶構造に影響が与えられれば、それに続く氷への変換の結果、与えられた情報の種類に応じた結晶構造が作られるでしょう。

 「第四の水の相」は実際には新しいものではありません。この考え方には長い歴史があり、著名な物理化学者であるウィリアム・ハーディーにまでさかのぼります。彼は、1912年に、水の特長は3つの相だけでは説明出来ず、界面となる「4番目の相」が必要である、と主張しています。
 後になってギルバート・リンは、水には秩序を持った「相」があるということを示す証拠を見つけましたし、ノーベル賞受賞者であるアルベルト・セント・ジェルジも同様であり、セント・ジェルジは、「生命は、さまざまな固体物質の音に合わせた水のダンスである」と主張しています。
 私たちの仕事は、これら先駆者達の仕事を単に拡張するものであり、現時点においては、多くの科学者たちが、この秩序だった「相」―「EZ水」(EZWater:イー・ズィー・ウオーター)としても知られています―の存在を確認してきています。

※注/「第四の水の相」は、親水性の表面の近傍において、水に溶けている様々な物質(すなわち溶質)が「排除」される「層状」の「領域」として、発見された。そのためこの「領域」は「排除層」と名付けられた。「排除層」は、英語では「Exclusion Zone」であり、略して「EZ」となり、この領域に含まれる水は「EZWater」、すなわち「EZ水」と呼ばれるようになった。従って「EZ水」は実際には「第四の水の相」の「水」とほぼ同義である。

 「EZ水」は情報を記憶するという分野においてのみならず、生理学的な物質としても重要です。私たちの細胞は、「第四の相の水」、すなわち「EZ水」によって満たされています。この水こそが、私たちの細胞の中でもっとも主要なタイプの水なのです。
 私たちが「水和」(Hydration:ハイドレーション)について語るとき、私たちは実際には、私たちの細胞の中にあるさまざまな分子を取り囲んでいる「EZ水」について語っているのです。
 これらの分子が正しく機能するためには、このタイプの水に囲まれている必要があるのです。そうなっていない時―私たちが「脱水」状態にある時―私たちの細胞は適切に機能することが出来ず、私たちは病気になります。
 従って、「EZ水」の量を増やすことによって、私たちの健康状態を改善することが出来ますし、さまざまな方法により、この水の量を増やすことが出来ます。

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